或る文学青年の悲哀

自分で言うのもなんですが、中・高・大学と純文学を読み漁っていた時代があります。

と、同時にアイドルオタクで、月間明星とか月間平凡も欠かさず見ていました。

そう、人って二面性がありますよね。

私の中では矛盾しない世界でした。

 

そんなとき、純文学から少し距離を置いてみようと思ったときがあります。

幻想文学に惹かれたのです。

その当時私にとって幻想文学イコール泉鏡花でした。

 

とある地方の書店に行ったときのことです。

 

本棚に泉鏡花の書籍を探していたのですが、見つかりません。

『おいてないのかな? まさか?』と思い、書店の人に聞いてみることにしました。

 

「すいません、コイズミ キョウカの本ありますか?」

私は、こう言い放ったのです。

あぁ無情・・・。

 


Ron Carter - The Shadow Of Your Smile